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院長ブログ・お知らせ

精子濃度の数え方

精子濃度の数え方

近年、男性の精子力クライシスが叫ばれています。

私は卵子はもちろん精子もとても大切なので両方を良くすることが妊娠への近道だと考えています。

先日もご夫婦で施術を受けておられる方から通院3か月で妊娠検査薬に初めて反応が出た(タイミング療法にて)とご報告がありました。

ご主人の精子濃度は問題なく、運動率だけが低かったのでその改善の為に施術をしていたのですが、施術開始3か月目には運動率が41.0%から78.1%まで上がりました。

そのタイミングでの陽性反応だったので、やはり両方施術する方が早いなと改めて感じました(もちろん全ての方がすぐに結果が出るわけではありませんが)。

一鍼灸院では計測できる項目に限界があるので濃度と運動率を月1で計測しながら施術効果を確認しているのですが(本当はDNA断片化率なども計測したいが、計測器が高いんです・・・)、今回はその濃度の計測方法についてお話します。

まず精子濃度とは1ml中にいる精子の数で○○○○万/mlと表記されます。

私は精子観察用の顕微鏡を導入以降、不妊治療専門の病院2院や私より先に顕微鏡を導入している鍼灸院にて精子観察の方法を研修してきました。

ちなみにカウントにはこの顕微鏡にマクラーチャンバーという専用のものを使ってカウントします。

マクラーチャンバー

各施設により多少カウント方法に違いはあるのですが、濃度を数える時に一致しているのが

・動いている精子も動いていない精子も数える
・精子のしっぽが千切れた頭だけの状態でも数える

です。

え、動いていない精子や頭だけのものも数えるの?!と思った方もいると思いますが、数えるんです。

なので濃度が基準値を満たしていても実際には受精することが不可能な精子も含まれているので、濃度だけ高くてもダメなのです。

濃度と運動率が高くて初めて良好な精液所見となります。

私のところではとある研究から精液所見の目標値は濃度8400万/ml、運動率66%に設定しています。

かなり高めの設定に見えますが、これはパートナーが自然妊娠した方の精液所見の中央値(数値順に並べたときの真ん中の数値)になります。

特に自然妊娠や人工授精での妊娠を目指す方は数と運動率勝負なところがあるので、この数値に届かない方はまず生活習慣を改めてみて下さい。

またWHO基準値(濃度1500万/ml、運動率40%)近辺やそれ未満の方は生活習慣だけではどうにもならないこともあるのでご相談くださいね。

五月が丘鍼灸治療院 内名博志

院長顔写真

院長 内名 博志

昭和60年生まれ
明治鍼灸大学(現、明治国際医療大学)卒

日本不妊カウンセリング学会:不妊カウンセラー
一般社団法人JISRAM(日本生殖鍼灸標準化機関):理事

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