精液検査問題なしで何故安心できないのか?
精液検査で問題なしと言われ、おれは大丈夫!と安心しているそこのあなた!
本当にその結果は手放しで安心できるものですか?
通常の精液検査だけでは安心できない理由があるので、このご覧ください。
結論
①そもそもの基準値が低い
②DNA損傷率がわからない
③タバコを吸っていると検査結果があてにならない
通常の精液検査は本当に簡単なところしか観ていません。
上記の理由などにより本当に問題のない方はそう多くないでしょう。
そもそもの基準値が低い
WHO(世界保健機関)では精液検査の基準値を以下のように定めています。
液量:1.4ml
濃度:1600万/ml
運動率:42%
正常形態率:4%
この基準値はパートナーが自然妊娠した男性の精液検査の結果を良い順に上から並べていった時の下位5%にあたるところの数値です。
なのでこの数値を下回ると自然妊娠することがかなり難しくなると言われています。
そのような数値を基準としているので、そこをぎりぎり上回ったからと言って安心は全くできません。
多くの病院はこのWHO基準値をそのまま採用しているか少し高めに設定しているので、ご自分の通われている病院の基準値を今一度確認してみてください。
また別の報告(BMJ Open.2013;3:pii:e002223 )でWHOと同じような方法でパートナーが自然妊娠した男性の精液所見を調べたところ、中央値は
濃度:8400万/ml
運動率:66%
でした。
それぞれ見るところが下位5%目と中央値なので、数値が違うのは当然なのですがあまりにも違いすぎますよね。
下位5%目と中央値、どちらが基準として正しいのでしょうか。
少なくても私はWHO基準値を満たしただけでは心もとないと思っています。
また病院によって基準値がことなるのですが、私が知る限りでは最も基準値が高い病院の数値は
濃度:7500万/ml
運動率:50%
でした。
この病院の看護師長の方に何故こんなにも基準が高いのか聞いたところ、
「病院のデータして自然妊娠するにはこれぐらいの数値が必要だから」
ということでした。
やはりWHO基準値では心もとないですよね(特に自然妊娠を目指す場合)。
DNA損傷率がわからない
精子の頭部にはDNAが入っています。
このDNAが一見元気そうな精子でも壊れていることが多々あります。
精子のDNAが壊れていた場合は受精しないか、受精しても成長しない、成長しても着床しない、着床しても流産のリスクが上がるなど良いことが一つもありません。
卵子が元気だった場合は場合は精子のDNA損傷を修復してくれることがあるのですが、精子自身には修復する力はありません。
必ずしも卵子で修復されるわけではないので、はじめからDNAが壊れていない方が良いですよね。
見た目が元気な精子でもDNAが壊れていることはよくあるので、気になる方はDFI検査を受けてみてください。
タバコを吸っていると検査結果があてにならない
精子は活性酸素に非常に弱いのですが、タバコは活性酸素の塊です。
この活性酸素に精子が晒されるとDNA損傷率が上がります。
さきほどの話になりますが、DNAが損傷した精子は様々なリスクがあるので、DNA損傷率を下げなければなりません。
見た目上の数値が良くても中身が壊れているものばかりなんてことになると妊娠・出産からは遠ざかるので、検査結果があてにならなくなります。
妊活にタバコは大敵です。
私は妊活をしながらタバコを吸うのは
「時間とお金と奥さんの労力をドブに捨てていると思ってください」
とお伝えしているのですが、それでも完全にやめられる方は2割いたら良い方です・・・。
妊活はプラス要素を積み重ねて、マイナス要素を削ぎ取ることが大切です。
タバコはドマイナスなので、奥さんの為にもご自分のためにもやめましょう!
以上精液検査が問題なしでも安心できない理由を3つご紹介しましたが、まずは今一度ご自分(夫)の検査結果を見直してみてくださいね。
精子力が上がれば妊娠率は間違いなく上がります!
これからも油断することなく頑張って精子力を高めていきましょう!!
精子にとって良くない生活習慣はこちらをご覧ください。
五月が丘鍼灸治療院・内名博志
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