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院長ブログ・お知らせ

妊活中のビタミンDはいつから摂るべき?着床や卵子の質との関連性|学会レポート

監修者

先日、私が所属する一般社団法人JISRAM(日本生殖鍼灸標準化機関)の公開講座に参加しました。

私も男性不妊鍼灸についてお話しましたが、特に印象的だったのが杉山産婦人科丸の内院 院長:黒田恵司先生によるビタミンDに関する講演です。

黒田先生は「ビタミンDが不足すると妊娠しにくくなる可能性がある」ことを、いくつかの研究結果をもとに解説されていました。

ビタミンD不足は妊活にどう影響する?

妊娠を考え始めたら、ビタミンDをしっかり摂ることが大切です。ビタミンDには、ホルモンバランスを整え、卵子の成長を助ける働きがあります。

しかし、不足すると卵子がうまく育たなかったり、受精卵が子宮に着床しにくくなる可能性があることが研究でわかっています。

当院でも、妊活中の方にはビタミンDを積極的に摂ることをおすすめしており、今回の講演でも、その重要性が改めて確認されました。

研究でわかったビタミンDと妊娠の関係

妊婦さんのお腹
妊婦さんのお腹

ここからは、黒田先生の講演をもとに、ビタミンDが妊娠や着床にどのように影響するのか、研究データを交えて詳しくご紹介します。以下の5つのポイントが特に重要です。

① ビタミンDが不足すると卵胞数や妊娠率が低下

(参考論文:Hum Reprod 2012; 27: 3015)

この研究では、ビタミンDの血中濃度が10ng/ml未満の女性は、卵胞の発育が悪くなり、妊娠率が低下することがわかりました。

卵胞とは、卵子が育つための小さな袋のようなものです。ビタミンDが不足すると卵胞の成長がうまくいかず、質の良い卵子が育ちにくくなってしまいます。

妊活では、しっかりと成熟した卵子が排卵されることがとても大切なので、ビタミンDの不足は妊娠にとって大きなハードルになる可能性があります。

② ビタミンD不足で着床障害のリスクが上昇

(参考論文:Fertil Steril 2014; 101: 447)

この研究では、ドナー卵子を使った体外受精での着床率を調べました。ドナー卵子を使うと、もともとの卵子の状態に左右されず、着床しやすさだけを純粋に比べることができます。

その結果、ビタミンDが不足(20ng/ml未満)している女性は、着床率が明らかに低いことがわかりました。つまり、ビタミンDが足りないと、受精卵が着床しにくくなる可能性があるといえます。

③ 血中ビタミンD濃度が高いと体外受精の成功率UP

(参考論文:Hum Reprod 2012; 27: 3321)

この研究では、血中のビタミンD濃度が30ng/ml以上ある女性は体外受精の成功率が高くなることが示されました。つまり、ビタミンDが十分にあることで、受精卵が順調に成長しやすくなり、妊娠につながる可能性が高まるということです。

ただし、人種による違いも指摘されており、アジア人でははっきりした差が出なかったと報告されています。しかし、他の研究結果を考慮すると、日本人にもビタミンDが妊活に良い影響を与える可能性は十分あると考えられます。

④ ビタミンD濃度とAMH(抗ミュラー管ホルモン)の相関関係

(参考論文:Fertil Steril 2012; 98: 228 / J Clin Endocrinol Metab 2012; 97: 2450)

AMH(抗ミュラー管ホルモン)は、卵巣にどれくらい卵胞が残っているかを示すホルモンで、妊活中の方にとって大切な指標のひとつです。この研究では、40歳以上の女性で、血中ビタミンDの濃度が高いほどAMHの値も高いことがわかっています。

AMHの値が高いということは、卵巣にまだ多くの卵胞が残っている可能性があるということ。つまり、ビタミンDをしっかり摂ることで、卵巣の環境が整い、卵胞が育ちやすくなる可能性があると考えられています。

例えば、1周期で育つ卵胞の数が、ビタミンDを補うことで増えることがあるというイメージです。また、AMHが一定以上あると妊娠の可能性が高まるという報告もあるため、ビタミンDを意識して摂取することが妊活の成功につながるかもしれません。

⑤ ビタミンD不足は不育症リスクを上げる

(参考論文:Hum Reprod 2014; 29: 208)

不育症とは、妊娠はできても流産を繰り返してしまう状態のことを指します。妊娠を望んでいる方にとって「やっと授かった命を失ってしまうこと」は、とてもつらい経験だと思います。

この研究では、ビタミンDが不足すると免疫のバランスが崩れ、流産のリスクが高まる可能性があることが報告されています。赤ちゃんが安心して育つ環境を整えるためにも、妊娠前からビタミンDを意識して摂っていきましょう。

妊活中のビタミンDの摂取量

ビタミンDは、妊活に大切な栄養素のひとつ。血中濃度は30ng/ml以上が理想的とされており、目安となる摂取量は次の通りです。

  • ・ビタミンDが不足している(20ng/ml未満) → 1日50μg
  • ・やや不足気味(20~30ng/ml) → 1日25μg以上

ただし、自分に必要な量を正確に知るには、血液検査でビタミンD濃度を測るのが確実です。ビタミンDは、鮭やキノコ類などの食べ物からも摂取できますが、妊活中に必要な量を食事だけで補うのは難しいため、サプリメントを活用するのも選択肢のひとつです。

また、ビタミンDは日光を浴びることで体内でも作られます。過度な日焼け対策をせず、1日15分ほど外で日光を浴びる習慣を意識するのもよいでしょう。

ビタミンDを摂りすぎるとどうなる?

ビタミンDは妊活にとって大切な栄養素ですが、脂溶性ビタミンのため体に蓄積されやすく、摂りすぎには注意が必要です。

厚生労働省によると1日100μg(4,000IU)を超えると過剰摂取のリスクがあるとされています。食事から摂る分にはほぼ問題ありませんが、サプリメントを複数飲んでいる場合は合計の摂取量を確認しましょう。

もし1日100μg(4,000IU)を超える量を長期間摂取していた場合は、念のため医師に相談すると安心です。

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妊活でお悩みの方へ

この記事では、不妊治療のプロフェッショナルである黒田恵司先生の講演をもとに、妊活におけるビタミンDの影響や適切な摂取方法について解説しました。

ビタミンDは、妊活をサポートする重要な栄養素のひとつですが、妊娠しやすい身体づくりには、栄養だけでなく生活習慣や夫婦での向き合い方も大切です。

当院では、日本不妊カウンセリング学会認定・不妊カウンセラーである内名院長が、鍼灸とカウンセリングを通じて妊娠しやすい身体づくりをサポートしています。「なかなか妊娠できない」「夫婦で妊活の温度差がある」などのお悩みがあれば、ぜひ一度ご相談ください。

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院長顔写真

院長 内名 博志

昭和60年生まれ
明治鍼灸大学(現、明治国際医療大学)卒

日本不妊カウンセリング学会:不妊カウンセラー
一般社団法人JISRAM(日本生殖鍼灸標準化機関):理事

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